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2016年2月28日 (日)

鬼ヶ島に出向かないリアルな現実がそこにある

昔、故あってとある舞台演出家さんと少しだけ交流があり、その影響で芝居を少し観に行った時期があった。
映画とは違い、芝居は生の役者をまじかで眺め、その臨場感を肌で味わいながらストーリーを追えるところに魅力があるのだと思える。スクリーンを通さない、生である種のリアルがそこに垣間見られる。のめり込める度合いは、もちろんその時の役者や演出の差もあるとはいえ、映画以上なのかもしれない。(最近は4D映画もあり、臨場感も状況によっては変わってくるが)
そんな観劇からずいぶんと遠ざかっていた筆者だが。

Kanimiko20151121_2

(写真は去年11月のデザフェスにて)

カニ巫女(@yudashio)という存在がいる。
写真の彼女がそれだ。見ての通りである。
そんな彼女が、Twitter上でとある即興芝居に出ると宣伝していた。
それが、先日筆者が観てきた『オトギユーギ』である。
面白いことを仕掛ける人がいると飛びつく癖のある筆者。もちろん、これは観る価値がありそうだと飛びついた訳だ。

 

始めて観に行った芝居なのだが、どうやら既に10回もの公演を行っているようだ。
のわりには、初観覧者が自分だけでなくそれなりの数いた。これは、出演する役者自体が回を追うごとに変わることの影響だろうか。

この舞台の特徴を簡単に説明してみると、お伽噺をモチーフにした即興芝居を演じる内容らしい。
それだけではない。この芝居の醍醐味は、観覧者も間接的に参加し、芝居の進行に関与できるという点である。これは、観覧者もただ観ているだけでない、今あらゆるジャンルで流行の参加型企画なのである。
参加方法は簡単だ。芝居前に与えられた紙切れに好きな単語やフレーズ(セリフ)を書いてスタッフに渡すだけ。
その書かれた紙を、芝居中にランダムに役者が取り出し、そこに書かれた単語を読んで芝居に無理やり合わせていくのである。つまり、その単語によっては役者がかなりの力技を使って芝居進行を変えていくことになる。こうした形により、観覧者が芝居進行に間接的に影響を与えていくことになる。他にも、舞台シチュエーション、例えば、そこは「天空」「洞窟」「ショッピングモール」などを観覧者側が選択できたりもする。もちろん、この場所選択により内容も大きく変わってくる。
お伽噺なのに現代的な舞台になり、引かれた単語によって、そこは更に次元を飛んだり外国人が現れたり……。
これはこの即興芝居を楽しむうえでも大きなポイントになっていた。

さて、そんな感じで開演された芝居なのだが……なるほど、このそこにいる誰もが予測できない展開は実に面白い! 桃太郎なのに海底で開かれたカーレースから始まったり、一寸法師なのに裁判所から始まったり、ずっと紙コップ役をやらされる役者が現れたり……。そして、紙に書かれた単語により、物語は更にカオスな方向へと走り続けていく……。物語は、本当に「めでたし、めでたし」と終るのだろうか。突飛すぎて展開が全く読めない。

 

そこで、筆者なりにこの舞台の楽しむところをまとめてみよう。
ポイントはいくつかある。

・ランダムに与えられるシチュエーションやセリフなどが、役者のアドリブ力を試す
・チームがランダムの選出により3組に分かれ、その影響によりバラエティーに富んだ芝居が短いながらも3回楽しめる。
・件の通り、観覧者側もフレーズを紙に書くことにより参加した気分になる。また、その書いたフレーズがどのような場面で引かれ、どのように役者が処理されるのかが非常に楽しみである。うまくはまったフレーズが出た時は、なんだかうれしい。
・即興性が故の予定調和な『事故』(つまりは、演出)がなく、全てが偶然性を秘めた事故であり、それが良くも悪くも面白い。

そう、全ては偶然の事故でできた芝居なのである。
偶然の事故が故に、そこにある種の『リアル』が生まれるのだ。まさに、舞台は生ものである。ここでしかないその場限りの芝居が生まれ、ここに来た者だけがそれを楽しむことができる。
そこに展開した良くも悪くも役者陣が繰り出した芝居(ネタ)は全てがリアルなのである。
だからこそ面白い!

 

ちなみに、筆者が紙に書き込んだセリフは……

「浮き袋割れちゃうよ!」

である。
昔、石川よしひろのANNにあった口癖三段落ちインタビューというコーナーで伊集院光さんが出した3つのフレーズの内の一つである。
残念ながら、あまりいい場面で使われずさらりと流された。
こういうのもあるから、リアルなのである。

くどいようだが、芝居は生ものだ。特に、ランダム性を多分に含めた即興芝居となると一回きりの(いい意味での)事故舞台である。そんなコミカルでハチャメチャで観覧者である自分も関われているからこそドキドキする舞台は、観ていて非常に新鮮な感覚でいっぱいだった。

 

最後に、写真を

Otogi_1

Kani20160219

 

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